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歯周病学会

皆さんこんにちは健康な歯を一本でも多く残したい気持ちで勤めておりますエンドウ歯科医院の 歯科衛生士です。

エンドウ歯科医院では院長もスタッフも患者さんのお口の健康を守るために日々自己研鑽に努めております。

そんな中、先日、知識をアップデートするために歯周病学会に参加してきました。沢山の症例や研究発表を見て、今までの常識が覆されたり、新しい発見もたくさんあり、とても勉強になりました。

日々歯科医療界も進化していて、新しい知識をどんどん勉強していかないといけないなと実感しました。

 

歯周病は世界一患者の多い病気としてギネスブックに載っており、日本人の40歳以上の約80%が歯周病に罹患していると言われています。

自分は大丈夫と思っている方も、もしかしたら大丈夫ではないかもしれません。

 

歯周病の歴史はとても古く、人が食材を加熱して食べるようになった頃からあるそうです。

また、歯周病とアルツハイマー病の関係性をご存じでしょうか?

アルツハイマー病は認知症の一種です。

WHO(世界保健機構)により認知症は世界で最も多い神経疾患の患者数で、世界では公衆衛生対策上、優先課題とされています。

認知症の予防・治療は研究されているもののまだまだ確立されておりません。

しかし、認知症の危険因子や発症進行を抑制できれば認知症の予防や健康寿命の増進が可能になります。

今回歯周病学会において、認知症とアルツハイマー病(Alzheimers Disease)の最新の知見がありましたのでそちらをご案内します。

世界アルツハイマー病レポート2015において世界で5000万人の認知症に苦しんでいるといわれています。

その治療費は年間8000億ドルを超えているようです。

2050年までに治療費が3倍以上に膨れる予想です。

日本における認知症の疾患患者数は2012年で460万人。高齢者人口の15%です。

それが2025年には700万人を超えて5人に1人(20%)が認知症になると推計されています。

認知症の一歩手前に軽度認知症(MCI)を合わせると1300万人に上ると試算されています。

1300万人は日本の人口の9人に1人、高齢者人口の3人に1人が認知症になる時代がもう目の前に来ているのです。

そこで、歯周病菌とADとの相関関係が報告されているようです。50歳以上の健康な方と、歯周病の方の双方の10年追跡結果からAD発症リスクが1.7倍高いことが示されました。

また、歯周病患者は健康な方に比べて認知機能の低下が早いことが報告されました。

歯周病は、歯に付着した細菌による歯周組織の炎症で、周りの骨を溶かして進行していく病気です。

その炎症時にインターロイキン(IL-1β、6など)が、末梢血管に存在しておりこれが脳の炎症を悪化させる可能性が高いとされています。

AD患者さんの脳の解剖を行ったところ、単純ヘルペスウイルス・クラミジア・スピロヘータ・真菌などが検出されております。

その状態を、人間は封じ込めるためにアミロイドβを分泌させていると考えられているようです。

そう!!アミロイドβはアルツハイマーの根源を作るたんぱく分解酵素なので、ここでアルツハイマーと歯周病の関係が明らかになったのです。

ちょっと難しい話になりました。。

簡単に書くと、

歯周病→末梢血管炎症→脳にも広がる→脳神経細胞の壊死→炎症を封じ込めるためにアミロイドβを多量に分泌→アルツハイマーの原因となるアミロイドβの大量生成→アルツハイマー認知症の発症☆

 

です。

今迄、NHKスペシャルとかでアルツハイマーはアミロイドβのせいだ!!と私は視聴してましたが、アミロイドβは抗菌活性があるということで脳内感染を阻止する自然免疫なのかもしれません!!

一方で、アミロイドβを含む微生物が脳に損傷を与えているのかもしれないというところまで研究が来ているようです。

歯周病菌をお口の中から撲滅することも不可能です。なので、私たち歯科従事者はアルツハイマーと歯周病の関係性を患者様に十分に伝えて、歯周病菌がお口にいることは脳に炎症を引き起こしているんだよ!ということを啓蒙しながらお口のケアをしていかなくてはならないなと感じました。

すでに認知されている糖尿病と歯周病の関係性に加えて、アルツハイマーと歯周病についてもっと皆さんに知ってほしいです。

アルツハイマーの発症率は70歳後半から増加するといわれているので、今は関係ないと思われているそこのあなた!!

先ほどから説明しているアミロイドβは40歳後半からすでに蓄積が始まっていることも知っておいてください。

そう

当院の青本と言われている本にも書いてありますが40歳以上は80%近く歯周病にかかっている内容と非常に近似するのです。

したがって、歯周病菌がアルツハイマーの根源になっている可能性もすでに証明されているようなものなのかもしれません。

 

また、一般歯科でも通常診療の様に施術されるようになったインプラント治療も、歯周病の状態では施術を控えてくださいね。

骨にインプラント体を埋入する治療になるので、お口に歯周病があるとインプラントも感染します。

インプラントを強く謳っているクリニックよりも歯周病治療を強く謳っているクリニックの方が遥かのインプラントの予後がいいことは想像に難しくありません。

虫歯も歯周病も早期発見、早期治療がとても大切になります。入れ歯になってしまった患者さんの殆どが、もっと歯を大切にすれば良かったと仰られます。

歯周病は痛みなく進行していきますし、アルツハイマーも痛みなく徐々に脳がむしばまれて進行していきます。

歯周病はご自身では気付きにくく、気づいた時には重症になっている事が多いです。

インプラント治療をしても、やはり天然の歯には敵いません。歯を失くしてからでは遅いのです。定期検診を受けて早期発見、早期治療ができるようにしましょう!

 

このように歯周病は、奥深い病気です。

今後も歯周病治療を研鑽していきますので、どうぞよろしくお願い致します。

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