2026年05月22日 歯のコラム

歯周病対策!進行を防ぐための歯磨きの仕方を解説

こんにちは。渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」です。

引き締まった歯茎と歯磨きのイメージ

歯周病は、成人の多くが抱えている身近な口腔トラブルのひとつです。

初期段階では痛みが少ないため気づきにくく、知らないうちに進行し、歯ぐきの腫れや出血、口臭、さらには歯のぐらつきにつながることがあります。近年では、歯周病と糖尿病や心疾患など全身の健康との関連も注目されています。

そのため、生活習慣を見直して予防する必要があります。なかでも歯磨きは、歯周病予防の基本となる習慣です。

しかし、毎日歯磨きをしていても、磨き方が適切でなければ歯垢が残り、歯周病の進行を招くことがあります。

この記事では、歯周病の基礎知識から原因、歯周病の進行を防ぐ歯磨きの方法について解説していきます。

歯周病とは

歯周病で出血した歯茎

歯周病とは、歯を支える歯ぐきや骨などの組織に炎症が起こる病気です。主に細菌の塊であるプラークが原因となり、歯ぐきに炎症を引き起こします。初期段階では歯肉炎と呼ばれ、歯ぐきの赤みや出血などがみられます。この段階で適切なケアを行えば改善が期待できます。

しかし、炎症が進行すると歯周炎となり、歯を支える骨が少しずつ溶かされていきます。さらに重症化すると歯を失うリスクも高まるのです。

歯周病は自覚症状が少ないことからサイレントディジーズと呼ばれることもあります。特に40代以降では罹患率が高まる傾向にありますが、近年では若年層でも増加傾向がみられます。

また、炎症物質が血流に入り込むと、全身の健康に影響を与えることも指摘されています。糖尿病の悪化、動脈硬化、誤嚥性肺炎などとの関連も報告されており、口腔内だけの問題ではありません。

歯周病を防ぐためには、毎日の歯磨きで細菌の塊を取り除くことが大切です。

歯周病の原因

歯周病の原因となるプラークを除去する様子

歯周病はさまざまな要因が重なり合って発症・進行します。ここでは、代表的な原因について解説します。

プラーク(歯垢)

歯周病の最大の原因はプラークです。プラークとは、細菌とその代謝物が集まった粘着性のある汚れで、歯の表面や歯と歯ぐきの境目に付着します。

特に磨き残しが多い部分では細菌が増殖しやすく、歯ぐきに炎症を引き起こします。歯ぐきが赤く腫れたり、歯磨き時に出血したりする場合は、プラークによる炎症が起きている可能性があります。

また、プラークが長期間残ると唾液中のミネラルと結びつき、歯石へ変化します。歯石は硬いため歯ブラシだけでは除去が難しく、表面がざらついていることでさらに細菌が付着しやすくなります。毎日の歯磨きでプラークを取り除くことが、歯周病予防の基本です。

喫煙

喫煙は歯周病を悪化させる大きな要因です。

タバコに含まれる有害物質は歯ぐきの血流を悪化させ、免疫機能を低下させます。その結果、細菌に対する抵抗力が弱まり、歯周病が進行しやすくなります。

また、喫煙者は歯ぐきから出血しにくくなります。症状が表面化した頃には、すでに歯周病が深刻化しているケースも少なくありません。さらに、喫煙は歯周病治療後の回復にも悪影響を与えることが知られています。歯ぐきの治癒が遅れやすく、再発リスクも高くなる傾向があります。

口呼吸

口呼吸の習慣があると、口の中が乾燥しやすくなります。唾液には細菌の増殖を抑える働きがありますが、乾燥によってその作用が弱まると、歯周病菌が繁殖しやすくなります。

鼻づまりやアレルギー、口周りの筋力低下などが口呼吸の原因となることもあるため、原因に応じた対策が必要です。

ストレス

ストレスは歯周病と深い関係があります。

強いストレスを受けると免疫機能が低下し、細菌への抵抗力が弱くなるため、歯ぐきに炎症が起こりやすくなるのです。また、ストレスが溜まることで生活習慣が乱れ、歯磨きがおろそかになる場合もあります。睡眠不足や食生活の偏りも重なると、歯周病が進行しやすくなるでしょう。

さらに、ストレスによって無意識の歯ぎしりや食いしばりが増えるケースもあり、歯周組織に強い負担をかける可能性もあります。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯ぐきに強い力をかける習慣です。過剰な力が歯周組織へ加わると、歯ぐきの炎症が悪化しやすくなります。

特に就寝中の歯ぎしりは無意識に行われるため、自分では気づきにくいでしょう。朝起きたときに顎の疲れや歯の違和感がある場合は注意が必要です。

また、強い噛みしめによって歯が揺さぶられると、歯周病によって弱くなった歯をさらに不安定にすることがあります。

歯周病の進行を防ぐための歯磨きの仕方

デンタルフロスを使用して歯のケアをする女性

歯周病の進行を防ぐためには、毎日の歯磨きがとても重要です。

ただし、ただ磨くだけではなく、正しい方法で行うことが大切です。以下に、歯周病の進行を防ぐための歯磨きの仕方をご紹介します。

歯と歯ぐきの境目を意識して磨く

歯周病菌は、歯と歯ぐきの境目に集まりやすいため、この部分を丁寧に磨くことが大切です。歯ブラシの毛先を歯ぐきとの境目へ軽く当て、小さく細かく動かしながら汚れを取り除きます。

特に奥歯や歯並びが重なっている部分は磨き残しが出やすいため、鏡で確認しながら磨くと汚れを落としやすくなります。歯磨き中に出血がある場合でも、やさしく丁寧に清掃を続けることが重要です。

ただし、強い痛みや腫れがある場合は歯科医院で相談しましょう。

力を入れすぎず小刻みに動かす

歯磨きをするときは、強い力でこするよりも、毛先を細かく動かしながら丁寧に磨くことが大切です。力を入れすぎると歯ぐきが傷ついたり、歯の表面が削れたりする原因にもなります。

歯ブラシは軽く握り、1〜2本ずつ磨くイメージで小さく動かしましょう。細かく振動させるように磨くことで、歯と歯ぐきの境目に付着した歯垢を落としやすくなります。

また、大きく横に動かす磨き方では細かい部分に毛先が届きにくく、磨き残しにつながります。特に奥歯や歯並びが重なった部分は、毛先をしっかり当てながらゆっくり磨くことが重要です。

さらに、毛先が開いた歯ブラシでは清掃効果が下がるため、1か月程度を目安に交換すると清潔な状態を保ちやすくなります。

補助清掃用具を使用する

歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れを十分に取り除けない場合がありますが、補助清掃用具を併用すると歯垢除去の効率が高まります。

デンタルフロス

デンタルフロスは、歯と歯の間に付着した歯垢を除去するための糸状の清掃器具です。歯ブラシでは届きにくい狭い部分の清掃に役立ちます。

デンタルフロスを歯と歯の間へゆっくり入れ、歯の側面に沿わせながら上下に動かして使用します。勢いよく入れると歯ぐきを傷つけることがあるため注意が必要です。

歯間ブラシ

歯間ブラシは、歯と歯のすき間が広い部分の清掃に使用します。歯周病によって歯ぐきが下がっている場合にも使いやすい器具です。無理に大きいサイズを入れると歯ぐきを傷つけることがあるため、自分の歯間に合ったサイズを選ぶことが重要です。

タフトブラシ

タフトブラシは、毛先が小さくまとまった部分用の歯ブラシです。通常の歯ブラシでは届きにくい場所を細かく磨きたいときに役立ちます。

特に奥歯のうしろ側や歯並びが重なっている部分、矯正装置の周囲などは磨き残しが出やすいため、タフトブラシを使うことで汚れを除去しやすくなります。

使用する際は、毛先を軽く当て、小さく動かしながら磨きます。強くこすると歯ぐきを傷つけることがあるため、やさしい力で使うことが大切です。

就寝前は特に丁寧に磨く

寝ている間は唾液の分泌量が少なくなるため、口の中で細菌が増えやすい状態になります。そのため、1日の中でも就寝前の歯磨きは特に重要です。

夜の歯磨きでは、歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間、奥歯まで意識しながら丁寧に汚れを落としましょう。短時間で済ませるのではなく、時間をかけて磨くことで歯垢を除去しやすくなります。

歯周病の進行を防ぐために歯磨き以外で大切なこと

定期的に歯科検診を受ける女性

歯周病の進行を防ぐためには、毎日の歯磨きに加えて、生活習慣の見直しや歯科医院でのケアも大切です。ここでは、歯磨き以外に意識したいポイントをご紹介します。

生活習慣を見直す

生活習慣の乱れは、歯周病の進行に大きく関わります。栄養バランスの偏った食事や睡眠不足が続くと、体の免疫力が低下し、歯ぐきにも炎症が起こりやすくなります。

歯ぐきの健康を保つためには、たんぱく質やビタミン類を含む食事を意識し、規則正しい生活を心がけることが大切です。また、十分な睡眠をとることで体の回復力を保ちやすくなります。

さらに、喫煙は歯ぐきの血流を悪化させ、歯周病を進行させる原因になります。そのため、禁煙することが重要です。口呼吸の習慣がある場合は、口の中が乾燥しやすくなります。乾燥すると細菌が増えやすくなるため、鼻呼吸を意識することも口腔環境の改善につながります。

定期的に歯科検診を受ける

歯周病は初期段階では痛みが少なく、自分では気づきにくい病気です。そのため、定期的に歯科検診を受け、歯ぐきの状態を確認することが大切です。

歯科医院では、歯周ポケットの深さや歯ぐきの炎症の有無を確認し、必要に応じて歯石除去やクリーニングを行います。歯石は歯ブラシだけでは除去できないため、専門的な清掃が必要です。

また、磨き残しが多い部分や自分に合った歯磨き方法について指導を受けることで、毎日のセルフケアの質を高めやすくなります。

歯周病は早い段階で対処することで、重症化を防ぎやすくなります。歯ぐきの腫れや出血がない場合でも、定期的に歯科医院でチェックを受けることが重要です。

まとめ

丁寧な歯磨きで歯周病を予防する女性

歯周病は、歯ぐきの腫れや出血だけでなく、進行すると歯を支える骨にまで影響を与える病気です。初期段階では自覚症状が少ないため、毎日のセルフケアを継続することが重要になります。

歯周病予防では、歯と歯ぐきの境目を意識しながら丁寧に歯磨きを行い、歯垢をしっかり取り除くことが基本です。また、デンタルフロスや歯間ブラシ、タフトブラシなどの補助清掃用具を使うことで、歯ブラシだけでは届きにくい部分まで清掃しやすくなります。

さらに、生活習慣の乱れや喫煙、口呼吸なども歯周病の進行に関わるため、日頃の習慣を見直すことも欠かせません。加えて、定期的に歯科検診を受けることで、歯石除去や歯ぐきの状態確認ができ、歯周病の早期発見・早期対策につながります。

歯周病の症状にお悩みの方は、渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は「一人ひとりに合った治療計画で歯を守ること」を意識して診療にあたっています。診療案内ページはこちらご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

遠藤 善孝

■この記事の監修者

遠藤 善孝

経歴
  • 北海道医療大学卒業
所属機関
  • 日本歯周病学会
  • IPSG
  • 日本口腔外科学会
  • 臨床歯科を語る会
  • 日本口腔インプラント学会
  • インビザライン認定ドクター
  • 日本外傷歯学会

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