トピックス

歯のコラム

顎関節症とは?原因や診断方法、治療法も

こんにちは。渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」です。

顎関節症のイメージ

口を大きく開けたときにカックンと音がする・あごが痛い・口が開けにくいなどの症状で悩んでいる方は、顎関節症かもしれません。このような症状は、あごの骨や周囲の筋肉に負担がかかることによって引き起こされます。

放置すると、痛みが強くなったり口が開かなくなったりすることもあるため早期に対処することが望ましいでしょう。

そこで今回は、顎関節症の症状や原因、診断方法、治療方法などについて解説します。歯科医院を受診するか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

顎関節症とは

顎関節症で口を開けると痛むイメージ

顎関節症とは、あごの関節や筋肉などに負担がかかり、あごを動かす機能や噛む機能などに問題が起きている状態のことを指します。

発症は中高年の方に多く、男女比でいえば女性のほうが多いといわれています。実際には、症状を自覚しているにもかかわらず治療を受けていない方が大半を占めており、症状が重くなってから受診するケースも多いです。

顎関節症には、あご関節そのものに原因があるものや靭帯や筋肉に原因があるものなど、いくつかの種類があります。症状の出方や重さはさまざまですが、適切な治療を行えば2〜3ヵ月程度で症状の緩和が見込めるでしょう。

顎関節症の主な症状

顎関節症の代表的な症状としては、以下の3つが挙げられます。

口を開けるときに痛みを感じる

代表的な症状として、口を開けるときの痛みが挙げられます。大きく口を開けたときやあくびをしたとき、大笑いしたときなどに痛みを感じる場合には、あごの関節や筋肉などに炎症が起こっている可能性があります。

口を開けるときに音が鳴る

口を開けるときに音が鳴るのも、代表的な症状のひとつです。食べ物を食べるときや会話をするとき、歌を歌うときなどに、耳のあたりで音が鳴ることがあります。音の種類は、カクカク、シャリシャリ、コリコリ、ゴリゴリなどさまざまです。

口を開けると引っかかる感じがする

通常は、口を開けるとき、スムーズに動かせます。

しかし、あごの関節にトラブルが生じていると、引っかかりを感じることがあるのです。これは、関節円板がずれるためです。重症化すると、口を開けられなくなることもあります。

顎関節症の分類

顎関節症は、ダメージを受けた部位によって症状の出方が異なります。また、症状の出方によって5つに分類されていますので、ご自身がどのタイプなのか確認してみてください。

Ⅰ型

Ⅰ型は、あご周りの筋肉の障害によって引き起こされるもので、噛むときに使う筋肉(咀嚼筋)に痛みが出ます。咀嚼筋とは口を閉じる際に使う筋肉で、こめかみ付近にある側頭筋や、頬の下側にある咬筋などが含まれます。

また、あごのうしろ側にある顎二腹筋や、首周りの筋肉など、口を開ける際に使用する筋肉が痛むこともあります。

Ⅱ型

顎関節を覆っている関節包や靭帯に障害が起こると、あごの周囲に過度なダメージが及び、炎症が生じて痛みが出るようになります。このような状態がⅡ型です。

Ⅲ型

Ⅲ型は、関節円板に障害が起こることで引き起こされるものです。あごの関節のクッションの役割を果たしている関節円板が正しい位置からずれると、口を開閉するときにコキコキという音がしたり口が開けにくくなったりします。

Ⅳ型

Ⅳ型は、あごの関節の骨に障害が起こっている状態を指します。日頃からあごの関節に過度な力が繰り返しかかったり、力が長時間かかり続けたりすることで骨が変形するのです。

これにより下顎の骨の上部分が出っ張ったり削り取られたりすると、口を開け閉めするときにギリギリと削れるような音がしたり炎症によって痛みが生じたりします。

Ⅴ型

Ⅰ型〜Ⅳ型までのどれにも当てはまらないものがⅤ型に分類されます。

顎関節症になる原因は?

顎関節症になる原因の一つである堅い食べ物を食べる女性

顎関節症は、さまざまな原因が複雑に絡み合って発症するといわれています。

環境因子としては、緊張感の強い職場、多忙な生活、人間関係でのストレスなどが挙げられます。行動因子としては、硬い食べ物の咀嚼や長時間におよぶ咀嚼、長時間におよぶパソコン作業、重い物の運搬、楽器の演奏などがあります。

そのほかには、悪い姿勢でのスマートフォンやタブレットの使用、歯ぎしりや食いしばりなどの癖、噛み合わせの問題、睡眠障害なども関連因子として考えられています。

なお、顎関節症の患者さんの8割以上にみられるTCHという習慣があります。TCHとはTooth Contacting Habitの略で、上下の歯を無意識のうちに噛み合わせる癖のことをいいます。通常、私たちの上の歯と下の歯の間にはすき間があるのが普通の状態です。

しかし、無意識のうちに上下の歯の接触が長時間繰り返されると、あごの関節に負担がかかり、あごのトラブルが引き起こされることがあるのです。

顎関節症はどうやって診断する?

顎関節症を診断する為にレントゲンを確認する歯科医

顎関節症は歯ぎしりや食いしばりなどをはじめとした生活習慣から引き起こされることも多いため、まずは問診を行います。それに加えて、あごの関節の動きや開口の角度、口の開閉時に音がなるかどうかなどをチェックします。

また、あごの関節を指で押したときに痛みや違和感が出るかなどを確認することもあります。さらに、正確な診断を行うために、レントゲン検査やCT検査、MRI検査などを行うこともあるでしょう。

レントゲン検査やCT検査を行うことで、骨の状態や変形の有無などを知ることができます。MRI検査は、関節円板や周囲の軟部組織の状態を評価することに役立ちます。

顎関節症を治療する方法

顎関節症の治療方法について説明する歯科医

顎関節症を治療する方法には、以下のようなものがあります。

スプリント治療

スプリント治療とはマウスピースを装着することにより、あごの関節にかかる負担の軽減や噛む筋肉の緊張を緩和する方法のことです。スプリント治療では、患者さん一人ひとりに合ったマウスピースを作製します。

理学療法

理学療法には、物理療法と運動療法の2つがあります。

物理療法

物理療法では、主にご自身の手指で咀嚼筋のマッサージを行います。マッサージのほかにも、ホットパックや低周波治療などの施術を通して血流を促進し、痛みの緩和を図ります。

運動療法

運動療法とは、咀嚼筋や靭帯にアプローチする運動やストレッチのことです。具体的には、口を開ける運動や関節円板の位置を元に戻す運動、ストレッチなどが挙げられます。これらを行うことによって、口の開けにくさが解消でき、スムーズな開け閉めにつながるでしょう。

薬物療法

あごの痛みや筋肉の緊張が強い場合には薬物療法が行われることもあります。鎮痛剤などを用いることで、つらい症状を緩和できる場合があります。

生活習慣の改善

顎関節症は日常生活のなかでの習慣が原因で引き起こされることもあるため、悪い影響を及ぼしている生活習慣を改善することも重要です。生活習慣のなかで気を付けるべきことには、以下のようなものがあります。

悪い癖や習慣を改善する

日常生活のなかであごの関節に負担をかける癖としては、頬杖や爪噛み、うつぶせ寝、片側での噛み癖、下顎を前に突き出す癖などが挙げられます。

また、スマートフォンやパソコンの使用、高い枕の使用、硬い物を噛むことなどは、無意識にあごの関節に負担をかけやすいです。これによって、トラブルを誘発するリスクが高くなるため注意しましょう。

あごに負担をかけない

つらい症状を改善するためには、できるだけあごをリラックスさせ、負担をかけないことが大切です。歯を食いしばっていることに気付いた際には、体の力を抜いてリラックスすることを心がけましょう。

また、痛みが出ている場合には、柔らかい食事を心がけることも大切です。痛みが出ているうちは、スープやおかゆなどを中心とし、硬い物は控えましょう。

口を大きく開けない

顎関節症の症状がみられる場合には、口を大きく開けないようにすることが重要です。音がカクカク鳴ると気になって何度も確かめたくなる方もいらっしゃるかもしれませんが、あごの関節に負担がかかるため控えましょう。

あくびをするときや笑うときなどに無意識に大きな口を開けないようにコントロールすることを心がけてみてください。

ストレス管理をする

人間関係や仕事でのストレスなども、顎関節症を引き起こす原因のひとつとなります。思い当たることがあれば、ストレスを上手に発散することや溜め込まない工夫をすることも大切です。

まとめ

顎関節症を治療して笑顔の女性

顎関節症とは、口を開閉するときに痛みが生じたり音が鳴ったりと、あごの関節に問題が起こっている状態のことです。顎関節症の発症には、さまざまな原因が複雑に関連しています。

長時間のスマートフォンやパソコンの使用、仕事や人間関係のストレスなどが影響を及ぼしていることもあるため、まずは原因を明らかにすることが大切です。思い当たる生活習慣や癖などがある方は、意識して改善しましょう。

なお、症状が現れているにもかかわらず治療を受けずに放置していると、痛みが強くなったり口が開かなくなったりすることもあります。治療を受けたほうがよいか悩んでいる場合には、歯科医院で相談してください。

顎関節症の症状にお悩みの方は、渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は「一人ひとりに合った治療計画で歯を守ること」を意識して診療にあたっています。診療案内ページはこちらご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

 

診療カレンダー WEB予約、お問い合わせ