子どもの歯磨きの基本とは?仕上げ磨きや歯ブラシ選びも紹介
こんにちは。渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」です。
「子どもの歯磨きはいつから始めるべき?」「子どもが歯磨きを嫌がって困っている」など、お子さまの歯磨きについて悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。乳歯は永久歯と比べて虫歯になりやすいため、適切な歯磨き習慣を早期に身につけることが大切です。
この記事では、子どもの歯磨きの開始時期や正しい磨き方、仕上げ磨きのコツ、適切な歯ブラシの選び方、そして歯磨きを嫌がる場合の対処法を詳しく解説します。この記事を参考に、お子さまの健やかな歯の成長をサポートしてください。
目次
子どもの歯磨きはいつから始めればいい?
乳歯が生え始めるのは一般的に生後6ヶ月頃からですが、お子さまの口腔ケアは、歯が生える前の段階から考えていくことが大切です。赤ちゃんの口の中は、歯が生えていない状態でも授乳後や食事のあとなどに汚れが溜まることがあります。
水またはぬるま湯で湿らせた清潔なガーゼなどで優しく口の中を拭いてあげることで、口腔内を清潔に保てます。
最初の乳歯(下の前歯)が生え始める生後6ヶ月から1歳頃になったら、本格的な歯磨きをスタートしましょう。濡らしたガーゼや柔らかい毛の赤ちゃん用歯ブラシを使って、歯の表面を優しくなでるように磨きます。この段階では歯磨き粉は必要ありません。
乳歯は永久歯より歯質が弱く、歯の外側を覆うエナメル質も薄いです。強い力で磨くと歯面に傷がつく可能性があるため注意が必要です。
1歳半から2歳頃になると、前歯から奥歯まで20本の乳歯が生えそろってきます。この頃には、歯並びや噛み合わせにも配慮した歯磨きが必要になります。
2歳を過ぎたら、フッ素配合の子ども用歯磨き粉を少量(米粒大)使い始めましょう。歯磨き粉を飲み込まないように、うがいができるようになっているか確認することが重要です。子どもが歯磨き粉の味に慣れるまでは、水だけで磨いても問題ありません。
子どもの歯磨きの仕方
子どもの歯磨きは、年齢によって方法や重点を置く部分が異なります。お子さまの年齢に合わせた歯磨きのポイントを押さえておきましょう。
0~1歳半頃
この時期の歯磨きは、お口のケアに慣れることが目的です。歯が数本しか生えていない段階では、保護者の方が指にガーゼを巻いて拭き取るケアを中心に行いましょう。
歯ブラシを嫌がらないように、おもちゃのように扱わせたり、親が楽しくケアする姿を見せたりしてあげてください。口に触れられることへの抵抗を減らしていきましょう。
前歯の表側は磨きやすいので、まずはここから始め、磨く時間は30秒程度から徐々に延ばしていきます。子どもが嫌がらない程度に少しずつ範囲を広げていき、泣いたら中断するなど、無理強いしないよう心がけることが大切です。
1歳半~3歳頃
この時期から、歯ブラシによる本格的な歯磨きを始めていきます。自我が芽生え自己主張が強くなるため、子ども自身が歯ブラシを持ちたがることもありますが、初めのうちは歯ブラシを口に入れるだけでも構いません。
ある程度自分で歯ブラシを動かせるようになってきたら、以下のポイントを教えてあげましょう。
- 歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握る
- 1本ずつ優しく、小さく磨く
- 磨く順番を決める
見守りながら自分で磨かせた後には、仕上げ磨きが必須です。最低でも朝食後と就寝前の2回、歯磨きを行いましょう。特に、睡眠時は唾液の分泌量が減って虫歯菌が活発になるため、磨き残しがないよう念入りに磨きましょう。
4歳以降
ある程度自分で磨けるようになってくると、保護者のサポートの頻度が低くなるかもしれません。
ただし、子どもは磨いたつもりになっていても実際には汚れが残っていることが多いため、確認が必要です。特に、6歳以降は乳歯から永久歯への生え変わりが始まる時期でもあるため、生え変わり中の歯の周辺も丁寧に磨いてあげましょう。
仕上げ磨きの仕方とコツ
仕上げ磨きとは、子どもが自分で磨ききれない部分を保護者がサポートして清潔に保つ習慣です。これを丁寧に行うことで、虫歯の予防に大きくつながり、お子さまの歯の健康を守れます。
仕上げ磨きの手順と姿勢
仕上げ磨きは明るい場所で行い、必要に応じて口の中を見やすくするためのペンライトなどを用意します。子どもを保護者のひざの上に寝かせると口の中がよく見え、安定して磨くことができます。
歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握り、力を入れすぎないようにしましょう。強くこするよりも、小刻みに動かして磨く方が効果的です。お子さまが使う歯ブラシとは別で、柄が長くヘッドが小さい仕上げ磨き用の歯ブラシや、タフトブラシなどを使用しても良いでしょう。
歯の部位別の磨き方
歯の形状は生える場所によって異なり、仕上げ磨きの際は、汚れが残りやすい部分を重点的に磨くことが大切です。例えば、前歯は歯の裏側や歯と歯茎の境目に汚れがたまりやすく、奥歯は噛む面に食べかすが残りやすいため、虫歯の発生率が高くなります。
また、歯と歯の間の汚れは歯ブラシだけでは落としきれないこともあるため、デンタルフロスを使用する必要があります。さらに、生え変わりの時期には、歯がない部分や生えかけの部分ができ、磨き残しが増えやすくなります。
子どもだけでは磨きにくい場所を保護者が知っておき、仕上げ磨きをしてあげることが大切です。
子どもが嫌がらない工夫をする
仕上げ磨きを嫌がる子どもも多いですが、歌をうたったり、お話をしたりしながら行うことでリラックスさせられます。タイマーを使って「3分がんばろう」と時間を区切るのも効果的です。毎回決まったルーティンにすることで、子どもも習慣として受け入れやすくなります。
子どもが協力してくれたら、必ず褒めましょう。「上手に口を開けられたね」「がんばったね」などの言葉がけが、次回の仕上げ磨きをスムーズにします。
ただし、その日の子どもの機嫌や体調によっては、仕上げ磨きが難しい場合もあります。無理に行うと歯磨き自体に嫌悪感を持つ原因になるため、タイミングをずらすなどの工夫をしましょう。
どうしても難しい場合は、水でよくゆすぐだけにして、次の機会に改めて挑戦するという柔軟さも必要です。
子どもの歯ブラシの選び方
お子さまにあった歯ブラシを選ぶことは、効果的な歯磨きを行う上で非常に重要です。年齢や口の大きさ、歯の生え具合に合った歯ブラシを選びましょう。
0~1歳頃は乳歯が数本生えている程度なので、非常に小さなヘッドの歯ブラシが良いでしょう。指に装着するタイプの指歯ブラシや、柄の太い赤ちゃん専用の柔らかい歯ブラシを選んでください。
乳歯がほぼ生えそろう2~5歳頃は、前歯から奥歯まで届く小さめのヘッドの歯ブラシを選びましょう。また、子どもが握りやすいように、柄は太めで滑りにくい素材のものにしてあげてください。毛の硬さはやわらかめを選びます。
この時期は子ども自身が歯磨きに興味を持ち始める時期でもあるため、好きなキャラクターや色の歯ブラシを選ぶと、歯磨きへの意欲が高まるかもしれません。
6~8歳頃の乳歯と永久歯が混在する時期は、複雑な口腔内環境に対応できる歯ブラシが必要です。ヘッドは小さめから普通サイズで、毛の硬さはやわらかめやふつうを選びましょう。第一大臼歯(6歳臼歯)が生える時期は、奥歯までしっかり届く形状の歯ブラシが必要です。
永久歯がほぼ生えそろう9歳以上では、徐々に大人用の歯ブラシに移行していきます。いきなり大人用の大きなヘッドの歯ブラシに変えるのではなく、口の大きさに合わせて選ぶことが大切です。
毛の硬さはふつうが基本ですが、歯肉炎などがある場合はやわらかめを選びましょう。
子どもが歯磨きを嫌がるときは
どんなに工夫しても、子どもが歯磨きを嫌がる日もあります。以下に、そんなときの対応方法をご紹介します。
タイミングを変える
子どもが疲れている就寝直前ではなく、夕食後すぐや、入浴後など機嫌の良いタイミングで歯磨きをしてみましょう。朝は、起きてすぐよりも朝食後に行うほうが受け入れられやすいこともあります。
環境を変える
いつもと違う場所で歯磨きをすることで、新鮮さを感じさせられます。例えば、リビングのソファに寝転がって歯磨きをしたり、外出先から帰ってきたときにすぐ玄関で行ったりするなど、場所を変えてみましょう。
無理強いしない
どうしても嫌がる場合は、無理に押さえつけて行うことは避けましょう。そのような経験が、歯磨きに対するさらなる拒否感を生むことがあります。その日は水でのうがいだけにして、次の機会に改めて挑戦するという柔軟さも必要です。
専門家に相談する
どんな工夫をしても長期間にわたって歯磨きを拒否する場合は、歯科医師に相談しましょう。感覚過敏など発達特性に関連している可能性もあります。専門家からのアドバイスや、フッ素塗布などの予防処置を受けることで、虫歯リスクを軽減できます。
まとめ
子どもの歯磨き習慣を早くから身につけることは、将来の健康な歯を維持するために重要です。この記事でご紹介した基本的な知識や実践的なコツを参考にし、日々の歯磨きを楽しい習慣にしていきましょう。
お子さまの健康な歯を守るために、ぜひこの記事を役立ててください。
お子様の歯磨きでお悩みの方は、渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
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