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歯のコラム

歯周病の外科治療が必要なケースとは?治療の流れ・費用や予防法を紹介

こんにちは。渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」です。

歯周病になった歯茎

歯周病は、日本人の成人の約8割が抱えているとされる、国民病とも言える疾患です。初期段階では自覚症状が乏しいため、気づかないうちに進行していることも少なくありません。

歯茎の腫れや出血といった症状が見られる段階では、すでに中等度以上に悪化している可能性もあります。通常のスケーリングやブラッシング指導といった基本的な歯周治療では改善が見込めない場合、外科的な治療が必要になるケースがあります。

この記事では、歯周病における外科治療に焦点を当て、外科治療が求められる具体的な症例や治療の流れ、費用、そして再発を防ぐための予防法まで、詳しく解説していきます。歯周病が進行すると、最終的には歯の喪失につながることもあるため、早期の発見と治療が重要です。

歯科医院で定期的にチェックするとともに、必要な場合はためらわずに外科治療を検討することが、歯の健康を守る第一歩となります。

歯周病の外科治療とは

歯周病の外科治療の様子

歯周病は、歯垢や歯石によって歯周組織が炎症を起こし、進行すると歯を支える骨(歯槽骨)まで破壊する病気です。初期段階では、歯石除去やブラッシング指導などの保存的な治療で症状の改善が期待できますが、重度になると基本治療だけでは不十分になる場合があります。

そうした場合に行われるのが、外科的治療です。歯周病における外科治療とは、歯と歯茎の間に深く形成された歯周ポケットの内部にある感染源を、外科的な手法を用いて徹底的に除去する治療のことを指します。

代表的な方法にはフラップ手術(FOP)があります。フラップ手術とは、切開して歯根を露出させ、目視で確認しながら歯石や感染組織を取り除く手術です。ほかにも、失われた骨を再生させる歯周組織再生療法(GTR法やエムドゲイン法)などもあります。

これらの治療は、専門的な知識と技術を要するため、歯周病を専門としている歯科医師の診察を受けることが推奨されます。

外科治療はすべての歯周病患者に必要なわけではありません。病状の進行度や患者さまの口腔内の状態、全身の健康状態などを総合的に考慮して判断します。外科治療によって感染源を確実に取り除くことで、歯周病の進行を食い止められ、歯の保存につながります。

歯周病の外科治療が必要となる理由

歯周病の外科治療が必要となる理由を説明する歯科医師

歯周病の治療法にはいくつかあり、進行度に合わせて選ばれます。初期から中等度まではスケーリング(歯石除去)やルートプレーニング(歯根の表面を滑らかにする処置)など、非外科的な方法で対応することが一般的です。

しかし、これらの方法で十分な改善が見られない場合や、歯周ポケットが深くなりすぎて清掃が困難な状態に陥った場合には、外科治療が必要と判断されます。特に、歯周ポケットが5ミリ以上ある場合は、通常のケアでは内部の歯石や炎症組織を完全に取り除けません。

こうした深い歯周ポケットは感染が慢性化しやすく、歯槽骨の破壊も進行しやすくなります。外科治療によって歯茎を切開し、視野を確保することで、隠れた部分まで清掃が可能となり、病巣の徹底的な除去が期待できるのです。

また、歯の動揺が著しい場合や歯並びや噛み合わせに影響するほど骨が吸収されている場合、歯の保存を目的とした再生療法が必要になることもあります。このようなケースでは、外科的アプローチを取り入れなければ治療の効果が見込めません。

外科治療は決して最初の選択肢ではありませんが、進行した歯周病に対しては非常に有効な手段です。歯周病を放置すると、歯の喪失や周囲の歯への影響にもつながるため、歯科医師の診断のもと、適切なタイミングでの外科治療を検討することが重要です。

歯周病の外科治療の費用

歯周病の外科治療の費用のイメージ

歯周病の外科治療にかかる費用は、治療の内容や範囲、使用する材料、そして保険の適用可否によって大きく異なります。基本的なフラップ手術であれば、保険が適用されるケースが多く、1歯あたり数千円から1万円程度で受けられることが一般的です。

ただし、治療部位が複数にわたる場合や、再生療法などの高度な処置が必要な場合は、保険が適用されない自由診療となることが多いです。その場合の費用は大きく跳ね上がります。

例えば、エムドゲインを用いた歯周組織再生療法では、1部位につきおよそ5万円から10万円程度の費用がかかることがあります。GTR法も同様に自由診療の扱いとなることが多く、使用するメンブレンの種類や治療内容によって費用が変動します。

また、処置に伴う診断料や再診料、投薬などの費用も別途必要になるため、トータルでの見積もりを事前に確認しておくことが重要です。

一方で、健康保険が適用されるフラップ手術の場合でも、治療にかかる回数や前後の処置によっては総額が高額になることもあります。そのため、歯科医院で詳細な説明を受け、納得した上で治療を始めることが大切です。

歯周病の進行を放置すると、将来的にインプラント治療など、より高額な処置が必要になるリスクもあります。早期発見・早期治療が、結果的に費用を抑えることにもつながります。

歯周病の外科治療の流れ

歯周病の外科治療の前のレントゲン検査

歯周病の外科治療は、診断から手術、そして術後の管理に至るまで、段階を踏んで慎重に行われます。不安を軽減し積極的に治療に臨むためにも、治療の流れをしっかり把握しておきましょう。

精密検査と診断

最初に行われるのは、精密な診査と診断です。歯周ポケットの深さや歯の動揺度、レントゲンによる骨の状態などを確認し、治療計画が立てられます。

基本的な歯周治療

続いて、基本的な歯周治療(スケーリング・ルートプレーニング)を行い、歯石やプラークの除去を徹底します。この段階で炎症が軽減しない場合に、外科的治療を行うかどうか判断されます。

外科手術

手術当日は局所麻酔を行い、歯茎を切開して感染部位を露出させます。フラップ手術では歯根表面の歯石や感染組織を取り除いた後、必要に応じて骨の形態修正や再生療法が実施されます。処置後は歯茎を縫合し、治癒を待ちます。

経過観察

術後は1週間ほどで抜糸が行われ、その後も数週間から数か月にわたって定期的な経過観察が続きます。再発防止のために、歯磨きの指導や生活習慣の見直しも並行します。

歯周病を進行させないためにできること

歯周病を進行させないために丁寧に歯磨きをする男性

歯周病は一度発症すると自然に治ることはなく、放置すれば確実に進行していく病気です。

しかし、日々の適切なケアと生活習慣の見直しにより、その進行を抑えたり再発を防いだりすることは十分に可能です。外科治療を受けた後でも、予防の取り組みを継続することが歯の健康を保つために欠かせません。

毎日の丁寧な歯磨き

歯周病の進行を防ぐ基本となるのは、毎日の丁寧な歯磨きです。歯周病予防には、歯と歯茎の境目を意識したブラッシングが欠かせません。歯ブラシに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具を併用することで、プラークの除去率が高まります。

歯磨きの方法は自己流になりやすいので、歯科医院で指導を受け、正しい技術を身につけることが重要です。

定期的に歯科検診を受ける

定期的に歯科検診を受けることも、歯周病の進行防止には不可欠です。目に見える症状がなくても、歯周ポケットの測定や歯石除去を定期的に行うことで、初期段階での発見と対応が可能となります。3か月〜6か月に一度は歯科検診を受けるようにしましょう。

特に、一度外科治療を受けた方は、より短いスパンでのメンテナンスが推奨されます。

禁煙・生活習慣の見直し

喫煙は歯周病の大きなリスク因子であることが知られており、禁煙は歯周病の予防・進行防止に非常に効果的です。加えて、糖尿病などの全身疾患がある方は、血糖コントロールと並行して口腔内の管理が必要です。

生活習慣の見直しを含めた総合的なケアによって、歯周病の進行を防ぐことが可能です。

まとめ

歯周病を治療して笑顔を見せる女性

進行した歯周病に対しては、基本的なケアだけではなく、外科治療が必要となる場合があります。フラップ手術や歯周組織を再生させる治療法は、歯を守るのに有効です。

ただし、外科治療はすべてのケースで施されるわけではなく、症状の進行度や口腔環境、全身の健康状態を見極めて、歯科医師が判断します。また、保険が適用される治療もありますが、再生療法などの一部は自由診療となり、費用面でも事前の確認が欠かせません。

何より重要なのは、日常的な歯磨きや定期的な歯科受診を通じて歯周病の予防・進行防止に努めることです。歯周病を未然に防ぎ、健康な歯を保つためには、早期の対応と正しい知識、そして継続的なケアが不可欠なのです。

歯周病の外科治療を検討されている方は、渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は「一人ひとりに合った治療計画で歯を守ること」を意識して診療にあたっています。診療案内ページはこちらご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

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