トピックス

歯のコラム

歯周病とはどのような病気?原因や予防法を徹底解説!

こんにちは。渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」です。

歯周病のイメージ

歯周病とは、最終的には歯を失う可能性がある怖い病気です。自覚症状が乏しく、気付いた時には歯がグラついていることも珍しくありません。そのため、歯周病の原因について知り、日頃から予防策をとることが大切です。

この記事では、歯周病の原因や症状、予防法、放置するリスクについて解説します。

歯周病とは

歯周病のイメージ

歯周病とは、細菌感染が原因で歯の周りに炎症が起こる病気のことです。歯を支える歯周組織(歯茎や顎の骨)を破壊する病気で、昔は歯槽膿漏とも呼ばれていました。

歯と歯茎の境目にはわずかに隙間があり、そこに汚れが溜まると、歯周病を発症することがあります。初期の歯周病は歯茎が赤くなる、腫れるのみで、痛みが出ることはほとんどありません。

しかし、症状が進行すると顎の骨にまで炎症が波及し、歯がグラグラし始め、最終的には自然と抜け落ちてしまうこともあるのです。歯周病は自覚症状がないまま静かに進行し、気付いた時には歯を失うこともある怖い病気といえます。

さらに、口内だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。そのため、ご自宅でのセルフケアと歯科医院でのメンテナンスにより、歯周病を予防することが欠かせません。

歯周病の原因

歯周病の原因の歯垢のイメージ

歯周病の直接的な原因とは、磨き残しである歯垢です。

しかし、きちんと歯磨きができている場合でも、口内環境の乱れや生活習慣、健康状態によって歯周病を発症・悪化するリスクが高くなることが分かっています。ここでは、歯周病の原因について解説します。

歯周病の直接的な原因

歯周病の直接的な原因は、細菌や細菌の死骸の塊である歯垢です。わずかな歯垢でも、その中には10億を超えるほどの細菌が潜んでいるといわれています。そのため、毎日の歯磨きが適切でなければ、口内の細菌感染が活発になり、虫歯や歯周病を発症することがあるのです。

特に、歯と歯茎の境目に歯垢が付着したまま放置すると、歯周ポケットが形成されるきっかけとなります。歯周ポケットとは、歯と歯茎の境目の隙間のことです。健康な歯茎であれば、歯周ポケットは3mm以下といわれています。

しかし、歯周病が進行すると段々深くなり、4mm以上になると歯周病を発症しているといえます。特に、歯周病菌は酸素の少ない環境を好むため、形成された歯周ポケット内で繁殖し、さらに症状を悪化させることがあるのです。

歯垢は取り除かなければ歯石へと変化し、歯ブラシでは取り除けない汚れになります。

歯周病を進行させる要因

毎日きちんと歯磨きしていても、歯周病の発症・悪化リスクは人によって異なります。口内環境や生活習慣、持病の有無などが、歯周病のリスクに影響するからです。

口内環境

口内環境が悪ければ、きちんと歯磨きしていても歯周病のリスクは高まります。例えば、歯並びが悪い、歯磨きの回数が少ない、補綴物の適合が悪いなどの場合、磨き残しが多くなり歯垢が溜まりやすくなるのです。

また、唾液には汚れを洗い流す作用や細菌の働きを抑制する作用があります。そのため、口呼吸の方やドライマウスの方は、炎症が起こりやすいといえます。

さらに、噛み合わせのバランスも大切です。部分的に歯のないまま放置していたり、歯ぎしり・食いしばり癖があったりすると、歯に負担がかかり歯周病を悪化させることがあります。

生活習慣

生活習慣の乱れも、歯周病を悪化させる原因の1つです。例えば、甘いものをよく食べる、栄養バランスが悪いなどの場合、歯垢の生成を促進したり、免疫力を低下させたりすることがあります。

また、喫煙習慣がある方や慢性的にストレスが溜まっている方、睡眠不足の方の場合も、免疫力が低下することで、口内で炎症が起こりやすくなります。

健康状態

健康状態によっても、細菌への抵抗力は変わります。例えば、生まれつき抵抗力が弱い方や持病のある方の場合、歯周病になりやすく、悪化もしやすいといえます。

また、女性ホルモンによる影響も無視できません。妊娠中の場合、女性ホルモンの増加により歯茎の出血リスクが高まります。妊娠する前よりも歯周病が悪化しやすくなるので注意が必要です。

歯周病を放置するリスク

心臓病のイメージ

歯周病を放置することは、口内環境を悪化させるだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼします。

歯の喪失

歯茎や顎の骨に炎症を起こすことで、歯がグラグラと不安定になる可能性があります。治療により炎症を改善できても、一度失われた歯周組織を元通りにすることはできません。そのため、放置していると最終的には歯を失うことにつながるのです。

重度の歯周病では、抜歯せざるを得ないこともあります。

全身疾患を発症するリスク

歯周病菌が口内から全身に波及すると、以下のような全身疾患につながることがあります。

糖尿病

糖尿病を患っていると、免疫力が低下することで歯周病の発症リスクを高めます。また、歯周病の炎症により血糖値が乱れ、糖尿病を悪化させることもわかっています。

2つの疾患は相互関係があるため、糖尿病を患っている方は口内環境を整えることが欠かせません。

心臓や脳疾患

歯周病菌が血液循環により全身に運ばれると、さまざまな影響を及ぼします。動脈硬化や狭心症、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を発症することがあるので注意が必要です。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは、本来食道に入るはずの飲食物が誤って肺に入り、肺の中で炎症を起こす病気のことです。飲み込む力の弱くなった高齢者に起こりやすく、口内の歯周病菌が肺に運び込まれることで炎症が起こります。

命を脅かす可能性もあるため、特に高齢者の場合は口内を清潔に保ち、日頃から歯周病を予防することが大切です。

低出生体重児

歯周病菌が血液循環により子宮にまで運ばれると、胎児にも悪影響を与えることがあります。歯周病菌には子宮を収縮させる作用があるからです。

妊娠中は歯磨きを丁寧に行っていても、女性ホルモンの増加により、歯茎に炎症が起こりやすいといわれています。また、つわりによって、歯磨きが十分にできないことも歯周病の原因の1つです。

そのため、妊娠中は特に丁寧に歯磨きを行い、体調をみながら定期的にメンテナンスを受けることが必要です。

歯周病を予防する方法

歯石除去のイメージ

ここでは、歯周病を予防する方法をご紹介します。

セルフケア

歯周病の直接的な原因は歯垢であるため、まずはお口の中の磨き残しを失くすことが大切です。また、口内や体の調子によっても歯周病のリスクを高めることがあるため、食生活や生活習慣も見直しましょう。

正しい歯磨きで磨き残しを失くす

歯磨きで大切なポイントは、毎日の歯磨きにより磨き残しをできる限り少なくすることです。まずは、ご自身に合った歯ブラシを選ぶことから始めましょう。

歯周病により歯茎が腫れている場合はやわらかめの歯ブラシ、炎症がない場合は普通タイプを選びましょう。お口の状態に合わせて歯ブラシを選択することで、効率的に歯が磨けます。

歯周病を予防する2つ目のポイントは、朝と晩、1日2回以上は歯を磨くことです。口内を清潔に保つことで、細菌の働きが抑制され、虫歯や歯周病を予防できます。

特に、就寝中は唾液の分泌量が少なくなるため、夜ご飯の後は丁寧に磨くことを心がけてください。

また、歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯茎の境目や歯と歯の間は、磨き残しができやすい部分です。磨き残しが多い箇所から歯周病を発症するため、歯と歯茎の境目は45度の角度で歯ブラシを当て、小刻みに動かしましょう。

歯ブラシの毛先が入らない歯と歯の間は、歯間ブラシやフロスを使用してください。これにより、汚れをかき出し、磨き残しの少ない口内環境を保てるでしょう。

さらに、殺菌作用のある歯磨き粉やうがい薬を使用するのも、歯周病の予防に効果があります。

バランスのよい食生活

口内に食べ物がある時間が長くなると、歯垢の生成が促され口内環境が悪くなります。1日の食事の時間を決め、食後はこまめに歯磨きしてください。

また、甘いものを摂取すると、細菌の繁殖が活発になり、歯垢の生成が促進されます。間食や甘いものは控え、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。

食べ物を30回噛むなど、よく噛んで食べることも歯周病の予防に効果的です。

規則正しい生活習慣で体を整える

生活習慣の乱れも、歯周病の発症・悪化リスクの要因の1つです。そのため、喫煙を控え、心身を休めることを意識しましょう。

また、持病のある方の場合、服薬などで体の調子を整えることも欠かせません。全身の健康を維持することで、歯周病の発症リスクを抑え、持病の悪化を予防する効果も期待できます。

定期的なメンテナンス

歯周病の予防は、セルフケアだけでは不十分です。歯ブラシの届かない部分には歯垢が溜まり、歯垢は歯石へと変化するからです。歯石は歯ブラシでは取れず、専用の機械でないと除去できません。

そのため、定期的に歯科医院に通い、クリーニングを受けることが大切なのです。また、メンテナンスでは虫歯や歯周病の有無、噛み合わせの確認、歯磨き指導なども行います。口腔内全体をチェックしてもらうことで、さまざまなトラブルを予防できるでしょう。

万が一、歯周病による炎症が起きている場合でも、メンテナンスに通っていれば歯周病の症状にすぐ気づき、治療を開始できます。歯周病の有無に関わらず、口腔内の健康を維持するためには約3~4ヵ月に1回はメンテナンスを受けましょう。

まとめ

歯周病のない健康な歯で笑う女性

歯周病とは、歯垢に潜む歯周病菌が原因で歯茎や顎の骨に炎症が起こる病気のことです。初期の歯周病は歯茎が赤くなったり腫れたりするのみで、自覚症状はほとんどありません。

しかし、静かに症状が進行し、最終的には歯を失うこともあるのです。また、放置していると全身の健康にも悪影響を与え、命に関わる病を発症することもあります。

そのため、毎日の歯磨きによるセルフケアや規則正しい生活習慣、歯科医院での定期的なメンテナンスを行うことが大切です。

歯周病治療を検討されている方は、渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院は「一人ひとりに合った治療計画で歯を守ること」を意識して診療にあたっています。案内ページはこちらご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

診療カレンダー WEB予約、お問い合わせ