インプラントは医療費控除の対象になる?
皆さんは「医療費控除」をご存知でしょうか?1年間で支払った医療費が10万円を超えた場合に申請できる制度で、ご家族で10万円以上の医療費を支払った場合、一定の金額が還付されます。医療費は歯の治療に限らず内科・眼科・整形外科・脳神経外科・精神科など医科領域も含まれ、歯科以外の治療も勿論、治療費は医療費になります。そんな医療費控除をインプラント治療で利用できたらありがたいですよね。
そこで深堀すると、医科及び歯科の医療機関を受診した際に保険診療の自己負担分・保険外治療(自費)の費用だけが対象じゃないんです!!
何を隠そう・・・その際に移動手段としてタクシーやバス・電車・もちろん地下鉄の交通費も対象となるのです。
ただし、歯ブラシや歯磨き粉・フロス・歯間ブラシなどの清掃補助用品は物品購入なので対象になりづらいので気を付けましょう。
▼インプラントは医療費控除の対象となります
ここで一度インプラントについてもうご存じの方も多いかと思いますが、基本的なことも情報としてお伝えさせてください。
そもそもインプラントは食事をするうえで、機能性抜群な人工歯根のことを言います。単に見た目を美しくするためだけの治療ではなく、失った歯の機能まで回復させることが主な目的となるからです。インプラント治療を選択しなくてもブリッジ・入れ歯といった治療方法がありますが、インプラントは現在予知性の高い治療方法として一般の方々に浸透してきています。
インプラント治療は年々日本人の歯の治療の第一選択になってきており初診で来られた患者様のお口の中に1本~数本埋入されているケースも散見されます。
特に東京、幡ヶ谷・初台地区は近年戸建ての建売や新築マンションも増え地方から転勤でお越しになった方々のお口に埋入されており遭遇する機会も多くなっております。
他院でインプラント治療を受けられ、当院へ来院されても当院ではインプラントのメンテナンスの大切さをお伝えしています。
日本におけるインプラント治療を受けられた推定患者数は275万人といった研究データが令和4年歯科疾患実態調査で出ています。
この統計は平成28年のインプラント治療を受けた患者数から約75万人増えました。
そのうち最も多い使用者は70歳以上で130万人いらっしゃるということで国内のインプラント埋入患者の半数が高齢者になっています。
ご高齢になるといろいろな理由から治療を受けた歯科医院まで通院することが困難になり当院でも、他院でのインプラント治療後のメンテナンスを請け負うことが多くあります。
しかし、、、、、
インプラント治療を受けられた方の中には、メンテナンス重要性がアナウンスされていないためインプラントが感染してしまっているケースもあります。
また、インプラントをしっかりメンテナンスするため継続的な通院が必要といった事をすでに認識されている方もいらっしゃいます。
また、今後メンテナンスをしていくうえでご自身では気づかないインプラントの感染(インプラント周囲炎やインプラント周囲粘膜炎の状態)が発見されるかもしれません。
その際には、インプラントのメンテナンス方法としてエアフロー・ペリオフローといった保険外のメンテナンスもございます。
こちらの保険外メンテナンスも、もちろん医療費控除の対象なのでインプラント治療を受けて5年以上経過した患者さんでも日々医療費控除が対象になっているわけです。
インプラント治療を受けたからにはインプラントに対して正しい知識を持ったうえで歯科医院へ通わなければなりません。
ご自身の食事を含めた健康管理とインプラントにかみ合ったかみ合わせの歯を守るためのマウスピースもインプラント治療を受けた方への大切な知識です。
また、余談にはなりますがインプラント治療に限らず当院では歯の移植治療を行う数少ない歯科医院です。移植も保険・保険外(自費診療)の場合があり、インプラント治療に近い費用が発生することもあり得ます。インプラントは単独でも10万円以上の支払いが発生することから、基本的にはすべてのインプラントケースで医療費控除を申請できるといえます。
▼どうやって申請するの?
医療費控除は、確定申告の際に併せて申請します。医療費控除の対象は、インプラント治療の費用だけでなく、通院のためにかかった交通費も含まれます。前者は領収書が必須ですが、後者はその都度かかった運賃をメモしておくだけで良いです。ちなみに、医療費控除はその年の医療費のみを対象としているのではなく最大で5年前までさかのぼって申請できますので、当院にて矯正治療・インプラント治療・セレックなどのセラミック治療を受けられた方も勿論対象です。また、別の医院でも過去にインプラント治療などの高額治療を受けた方もこの制度を利用することが可能です。
ここで注意点ですが、4つのポイントをおさらいします。
Point1 治療を受けた際の領収書や医療に付帯する移動費用をしっかり保管しましょう。
Point2 家族の中で一番所得が多い方が申告を行うとより、医療費控除の還付金が高くなります。
Point3 過去五年までさかのぼれるのでご家族で相談して治療を受けた経歴を話し合ってみましょう。
Point4 インプラント治療は特に自費のメンテナンスも今後必要となりしっかりとしたケアを行いましょう。
そしてそのメンテナンス費用も医療費控除に組み入れましょう。
▼まとめ
このように、インプラントは医療費控除の対象となるため、治療を受けた方は積極的に申請しましょう。インプラントは高額な費用がかかる治療なだけに、メンテナンスも含めて医療費控除によって少しでも負担が減らせたらうれしいですよね。