歯石除去は歯医者でしかできない?処置の流れと注意点も
こんにちは。渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」です。

私たちの口の中には、日々の食事や生活習慣によって、さまざまな汚れが溜まっていきます。特に歯の表面に付着する歯垢(プラーク)は、放っておくと唾液中のカルシウムと結びついて硬くなり、歯石と呼ばれる物質に変化します。
この歯石は、一度できると通常の歯磨きでは取り除くことができず、放置すると虫歯や歯周病、さらには口臭や歯ぐきのトラブルの原因にもなります。そのため、定期的に歯医者で歯石を除去してもらう必要があるのです。
今回は、歯石の基礎知識から、歯石除去がもたらすメリット、処置の流れなどについて解説します。お口の健康を守りたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
歯石とは

歯石とは、歯の表面に付着したプラーク(歯垢)が唾液中のミネラルと結びついて石灰化し、硬くなったものを指します。毎日の歯磨きで落としきれなかったプラークは、時間が経つにつれて石のように固まり、通常のブラッシングでは除去できなくなります。
この歯石は、細菌の温床となり、虫歯や歯周病のリスクを高める原因となるため、早期に除去することが重要です。
歯石の種類
歯石には大きく分けて2つの種類があります。それが歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石です。
歯肉縁上歯石は、歯ぐきよりも上に形成される歯石です。黄白色や灰白色をしているのが特徴で。特に下の前歯の裏側や上の奥歯の外側など、唾液腺の近くにできることが多いです。早めに歯科医院で除去してもらうことで、深刻なトラブルを防ぐことができます。
一方、歯肉縁下歯石は歯ぐきの下にできるため見えにくく、黒っぽい色をしており、血液や炎症による滲出液の成分が原因で形成されます。この歯石は歯周ポケット内に隠れていることが多く、歯ぐきの腫れや出血、口臭の原因になることがあります。
歯石除去は歯医者でしかできない?

歯石は一度形成されると非常に硬くなり、通常の歯磨きでは取り除くことができません。たとえ一部の歯石が表面上で見えていたとしても、奥深くに残った歯石は専用の器具を用いなければ除去することは困難です。
歯科医院ではスケーラーと呼ばれる器具を用いて、歯石を効率的かつ安全に除去します。歯ぐきの奥深くに入り込んだ歯石も、歯科医師や歯科衛生士による精密な操作で丁寧に取り除かれます。
また、歯石を除去したあとは、歯の表面を滑らかに整える処置も施されます。これによって、歯石が再付着しにくくなるのです。
歯石除去のメリット

歯石を除去することは、見た目の美しさだけでなく、口腔内や全身の健康にもさまざまな良い影響を与えます。以下に、具体的なメリットについて解説します。
虫歯や歯周病の予防につながる
歯石の表面はザラザラとしているため、周囲にプラークが付きやすく、細菌が繁殖しやすい環境を作り出します。これにより、虫歯や歯周病の原因となる細菌が増殖し、歯ぐきの腫れや出血などの炎症が進行しやすくなります。
歯科医院で歯石を除去してもらうことで、こうした細菌の温床を取り除き、歯の表面を滑らかに保つことができます。結果として、プラークの再付着を防ぎ、虫歯や歯周病のリスクを大幅に低減できます。
口臭の改善が期待できる
歯石には多くの細菌が潜んでおり、これらが食べかすなどを分解する際に、強いにおいを発生させます。特に歯ぐきの中に隠れた歯石は気づきにくく、慢性的な口臭の原因になりやすいです。
歯科医院で歯石を除去することで、こうした細菌の繁殖を抑え、口臭を根本から改善する効果が期待できます。
歯の変色を防げる
歯石はザラついた表面に着色汚れが付きやすく、時間が経つほどに歯の黄ばみや黒ずみの原因になります。特にコーヒーや紅茶、タバコのヤニなどは、歯石と一緒に色素が沈着しやすくなります。
歯科医院で歯石を除去することで、こうした汚れの定着を防ぎ、歯本来の白さを保ちやすくなります。見た目の清潔感を維持するためにも、定期的にケアを受けることが推奨されます。
全身の健康を守ることにつながる
歯石を放置すると歯周病が進行し、細菌が血流に乗って全身に広がることがあります。近年では、歯周病と糖尿病や心疾患、誤嚥性肺炎との関連も指摘されており、口の中の状態が全身の健康に影響を与えることが明らかになっています。
歯石を除去することで、歯周病の原因菌を減らし、全身疾患の予防にもつながります。健康維持のためにも、口腔ケアは重要です。
歯石除去は痛い?

「歯石除去は痛いのでは?」と不安を感じる方は少なくありませんが、実際の痛みは歯や歯ぐきの状態によって異なります。軽度の歯石であれば、ほとんど痛みは感じません。
ただし、歯ぐきが炎症を起こしていたり、歯石が深い部分まで付着していたりする場合は、多少の痛みを感じることもあります。必要に応じて麻酔も使用されるため、心配な方は歯科医院で事前に相談しましょう。
歯石を除去する処置の流れ

ここでは、歯石を除去する処置の流れについて解説します。
口腔内の検査
最初に、歯科医師や歯科衛生士が口の中の状態を丁寧にチェックします。歯ぐきに腫れや出血がないか、歯周ポケットの深さはどうか、どれくらい歯石が付いているかなどを確認します。必要に応じて、レントゲン撮影をして見えない部分まで詳しく調べることもあります。
スケーリング
スケーリングは、歯の表面や歯と歯ぐきの境目に付いた歯石を取り除くための基本的な処置です。通常は超音波スケーラーと呼ばれる器具を使って、歯石を効率よく落としていきます。
歯石の量が少なければ1回で終わることもありますが、歯ぐきの中まで歯石が入り込んでいる場合などは、数回に分けて行うこともあります。
ルートプレーニング
ルートプレーニングは、歯ぐきの奥深くに付いた歯石や汚れをきれいにする処置で、歯周病が進行している場合によく行われます。専用の器具を使って、歯の根の表面にある感染部分を丁寧に取り除き、滑らかに仕上げることで、細菌の再付着を防ぎます。
処置のあと、しみることもありますが、これは一時的なもので、歯ぐきの状態が回復するにつれて落ち着いていきます。歯周病の悪化を防ぐためには、とても大切なステップです。
フッ素塗布
歯石除去の処置が終わったあとに、フッ素を塗布することがあります。フッ素には歯の表面を強化し、再石灰化を促す効果があり、虫歯菌の活動も抑えてくれます。
処置直後の歯は、表面が一時的に弱くなっていることもあるため、フッ素を塗ることでしっかりと歯を保護し、再び汚れや虫歯菌が付くのを防ぐ環境を整えることができます。短時間で終わるケアですが、虫歯予防にとても効果的です。
歯石除去を受けたあとの注意点

歯石除去を受けた直後は、歯ぐきや歯が一時的に敏感になっています。適切にケアをすることで、回復を早め、良好な状態を維持することが可能です。
刺激の強い食べ物は控える
処置直後は、辛いものや酸っぱいもの、熱すぎる・冷たすぎる飲食物は避けたほうがよいでしょう。これらの刺激が歯ぐきに負担をかけ、痛みや違和感を引き起こす可能性があります。
また、食後はできるだけ早めに口をすすぎ、口内を清潔な状態に保つよう心がけましょう。
補助清掃用具を使用して歯磨きをする
歯石除去後は、歯ぐきが引き締まり、歯と歯の間に隙間ができやすくなります。そのため、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具を使用して歯磨きをすることが大切です。
特に歯間部は歯石がたまりやすい場所でもあるため、正しい方法で毎日ケアすることで再付着を防ぐことができます。自分に合った清掃用具の選び方や使い方については、歯科衛生士に相談してみるとよいでしょう。
定期的に歯科検診を受ける
一度歯石を除去しても、日々の生活のなかで再び歯垢が溜まり、それが石灰化して歯石になる可能性があります。そのため、3〜6か月に1回の頻度で歯科検診を受けることが推奨されます。
定期的に歯科検診を受けることで、万が一、お口の中にトラブルが起こっていても早期発見につながります。また、歯のクリーニングが行われることも多く、これによってプラークや歯石の蓄積を防ぐことができ、虫歯や歯周病の予防につながるのです。
自分の歯を長く保つための習慣として、定期的に歯科検診を受けましょう。
まとめ

歯石は、毎日の歯磨きだけでは完全に防ぎきれない厄介な存在です。一度付着してしまうと、通常のブラッシングでは除去できず、虫歯や歯周病、口臭など、さまざまなトラブルの原因になります。だからこそ、歯石を溜めない習慣と、歯科医院での定期的なケアが重要なのです。
歯石除去は、歯や歯ぐきの健康を守るだけでなく、全身の健康にも関わる大切な予防処置です。さらに、美しい歯を保つための審美的な側面や、対人関係におけるエチケットとしても、大きな意味を持っています。
もし長い間歯医者に行っていないという方は、この機会に一度チェックを受けてみてはいかがでしょうか。
お口の健康を守りたいとお考えの方は、渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は「一人ひとりに合った治療計画で歯を守ること」を意識して診療にあたっています。診療案内ページはこちら、ご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。


