根管治療は痛いのか?痛みを和らげる方法と痛みが続くときの対処法
こんにちは。渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」です。
歯の神経を抜く治療と聞くと「痛そう」「怖そう」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。根管治療は、歯を残すための大切な治療です。
しかし、治療中に痛みを感じたり、治療後に痛みが続いたりすることもあり、不安を感じる方も少なくありません。
この記事では、根管治療中や治療後に起こりうる痛みについて解説します。痛みへの対処法についても紹介しますので、治療への不安を和らげたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
根管治療とは
根管治療とは、一般的に歯の神経の治療や根っこの治療と呼ばれる歯科治療です。歯の中心部には、神経や血管を含む歯髄(しずい)と呼ばれる組織が通っています。
虫歯や外傷などによって歯髄が細菌に感染すると、激しい痛みや腫れを引き起こすだけでなく、最終的には歯を失うことにもつながりかねません。
根管治療の目的は、炎症が広がるのを防ぎ、歯を残すことです。歯の根の中にある根管から、神経や炎症物質を取り除き、内部をきれいに消毒します。そして、再び細菌が入り込まないように薬剤を詰めて密閉することで、炎症が広がるのを防ぎます。
根管治療中は痛い?
根管治療中は局所麻酔を使用するため、麻酔が切れるまで痛みを感じないことがほとんどです。
ただし、以下の要因によって痛みや違和感を伴う場合があります。
炎症が強いことによる痛み
根管の中に膿が溜まっていたり、周囲に強い炎症が起こっていたりする場合、麻酔が効きにくいことがあります。炎症が強いと、麻酔薬が十分に浸透しにくいためです。
痛みがある場合は、我慢せず歯科医師に伝えましょう。麻酔の量を調整したり、膿を排出したりすることで、痛みを軽減できる場合があります。
器具の刺激による痛み
根管治療では、細い器具を用いて根管の内部を清掃します。このとき、器具が神経のあった部分や根の先端付近に触れると、敏感な部分が刺激されて鈍い痛みや違和感が出ることがあります。
特に、根管が曲がっていたり細かったりする場合は、器具が当たって刺激が加わりやすいです。
薬剤を詰める際の痛み
根管の清掃・消毒が終わったあとは、内部に薬剤を詰めて密封します。薬剤を詰めようとして圧力がかかることで、痛みや違和感を覚える方も少なくありません。
一時的なもので時間とともにおさまることが多いですが、治療後も強い痛みが続く場合は歯科医師に相談しましょう。
根管治療後は痛い?
根管治療を終えて麻酔が切れると、治療自体に問題がなくても痛みが生じることがあります。ここでは、根管治療後に起こりうる痛みの原因について解説します。
治療による炎症反応
根管治療は、感染した歯の内部組織を取り除く外科的な処置です。そのため、治療後に歯の根の周囲の組織に一時的な炎症反応が起こることがあります。
擦り傷が治る過程で少し腫れたり痛んだりするのと同じように、体が治ろうとしている証拠ともいえます。時間経過とともに自然に落ち着くことがほとんどです。
根管内の細菌や膿が残っている
根管は細く複雑な形をしており、一回の治療で完全にきれいにすることは難しいです。そのため、複数回にわたって根管内を消毒後、仮蓋をして1〜2週間程度様子を見て再度洗浄します。
根管治療の途中段階で細菌や膿が残っている場合、しばらく痛みが続くことがあります。
根管治療が完了すると、治療後2〜3日程度がピークとなり、1週間程度で痛みが落ち着くケースが多いです。1週間以上強い痛みが続く場合は、再治療が必要な場合もあるため歯科医師に相談しましょう。
薬剤を詰めたときの圧力がかかっている
根管治療では、細菌の再感染を防ぐために根管の内部に薬剤を詰めて密閉します。その際、薬剤を充填する圧力が根の先にかかり、周囲組織に刺激が伝わって鈍い痛みや圧迫感が生じることがあります。2〜3日程度で落ち着くことが多いです。
薬剤が根の外へ漏れた
根管に使用する消毒薬や充填材が根の先から外へ漏れ出ると、歯の根の周囲組織に直接刺激が加わり、炎症や痛みを引き起こす原因になります。
根管治療中は薬液が微量に漏れて薬液の味を感じるケースもありますが、数時間以内におさまることがほとんどです。持続する場合は根管が適切に封じられていない可能性もあるため、歯科医院でみてもらう必要があります。
噛み合わせが悪い
根管治療後に、仮の詰め物や被せ物を装着した際に、噛み合わせが悪くなり、痛みの原因になることがあります。詰め物や被せ物が高いために噛み合わず、特定の歯に過剰な力がかかるためです。
放置すると痛みが悪化するおそれがあるため、歯科医院で詰め物や被せものの高さを調整する必要があります。食べ物を噛んだり、歯を噛み合わせたりしたときに痛みがある場合は、歯科医師に相談しましょう。
歯根にひびがある
根管治療は、歯に大きく穴をあけて根管内を清掃する治療です。歯を削るため歯の強度が落ち、ひび割れることがあります。歯の根の部分にひびが入っていると、その隙間から細菌が侵入し、炎症や感染を引き起こしかねません。
根管治療を行っても、ひび割れが原因で内部に炎症が残ると、痛みが継続する可能性があるのです。噛んだときに痛みが強くなるケースや、時間経過とともに痛みが強くなるケースでは、歯根破折の疑いもあるため、歯科医師の診断が必要です。
根管治療後の痛みを和らげる方法
前述したとおり、根管治療後は痛みが生じることがあります。ここでは、自宅でできる痛みの軽減方法を紹介します。
鎮痛薬を指示通りに服用する
痛みが強い場合は、歯科医師から処方された鎮痛薬を指示通りに服用しましょう。痛みを我慢すると、ストレスや不快感が増すだけでなく、回復にも影響が出ることがあります。
市販の鎮痛薬でも効果は期待できますが、処方薬との重複服用や、1日の服用量を超えての服用は危険です。吐き気や頭痛などの副作用症状を引き起こす恐れがあるため、必ず用法・用量を守って服用してください。
刺激の強い食べ物や硬いものを避ける
治療後の歯は非常に敏感な状態です。辛いものや熱いもの、冷たいものなどの刺激物は避け、なるべくやわらかくて常温に近い食事を心がけましょう。
また、ナッツやせんべいなどの硬い食べ物を無理に噛むと、治療部位に負担をかけ、痛みや再発の原因になることがあります。治癒を早めるために、刺激の強いものや硬いものは避けて安静に過ごしましょう。
治療部位を舌や指で触れない
気になって無意識のうちに舌や指で治療部位を触れることがあるかもしれません。
しかし、舌や指で触れると、傷口が刺激され、痛みが悪化することがあります。触れることで細菌が入り込み、炎症や感染が再発するリスクもあるため、触れないよう注意しましょう。
頭を高くして安静に過ごす
激しい運動や入浴は血行を促進させ、腫れや痛みが強くなる場合があります。そのため、治療後は、安静に過ごすことが大切です。横になる際は枕を2つ重ねる、バスタオルを丸めて頭の下に入れるなど、頭の位置を心臓より上に保つと腫れや痛みを抑えられる場合があります。
また、口の中に違和感があるからといって無理に口を動かしたり、噛み締めたりするのは控えましょう。
治療部位を冷やす
根管治療後に軽い腫れや熱感がある場合は、冷やすことで痛みや炎症が和らぐ場合があります。治療部位に冷たいタオルや、タオルに包んだ保冷剤を当てて冷やしましょう。
ただし、冷やしすぎると血流を悪化させ、治りが悪くなる恐れがあります。長時間冷やし続けたり、氷を患部に直接当てたりするのは控えてください。10分程度冷やした後は休憩を挟みながら、ゆっくり冷やしましょう。
根管治療後に痛みが続くときの対処法
根管治療後の痛みは、通常であれば2〜3日程度をピークとして、1週間程度で軽減していくことが多いです。
しかし、なかには数日経っても痛みが引かない、噛んだときに強く痛む、腫れや違和感が増すといったケースもあります。
夜も眠れないほどの激痛がある場合や痛みが増強する場合は、歯の中や歯根の先で炎症や感染が残っている可能性があります。自己判断で放置せず早めに歯科医院を受診しましょう。
早めに適切な診断と処置を受けることで、症状の悪化を防ぎ、再治療や最悪の場合の抜歯といった事態を避けられます。ご自身の歯を守るためにも、不安な症状があればすぐに歯科医院へ相談することが重要です。
まとめ
根管治療は、歯の神経や感染源を取り除き、歯を残すために行う大切な治療です。治療中や治療後に一時的な痛みが出ることはありますが、多くは時間の経過とともに落ち着いていきます。
強い痛みが続いたり違和感が長引いたりする場合には、炎症や再感染の可能性もあるため、早めに歯科医院を受診することが重要です。不安なことがあれば、遠慮なく歯科医師に相談しましょう。
根管治療を検討されている方は、渋谷区本町、京王線「幡ヶ谷駅」より徒歩10分にある歯医者「エンドウ歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院は「一人ひとりに合った治療計画で歯を守ること」を意識して診療にあたっています。診療案内ページはこちら、ご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。