インプラントの寿命はどのくらい?
皆様こんにちは。
今回もインプラント治療に関してお伝えしたいことがあります。
インプラントの治療は見た目が美しく、まるで自分の歯にしか見えないこともあり、我々もレントゲン写真からインプラントだったのか!?となるときもあります。
また、かみ心地が天然歯に近く硬いものを噛んでも、びくともしない心地よさは天然の歯に引けをとらない印象があります。
しかし、天然の歯には歯根膜という機能が備わっていて、インプラントの人工歯根の表面は歯根膜はないのです。
つまり、歯根膜と噛むための筋肉の伝達:歯根膜咬筋反射がインプラントにはないのです!!
歯根膜咬筋反射ってなんだ?と思われた方。
少し解説させてください。
天然の歯の根の表面にある歯根膜は顎の筋肉の咬筋という噛む筋肉の中で最も大きく強い力を発揮する筋肉(咬筋)とつながっているのです。
インプラントには歯根膜咬筋反射が働かないので、不祥事を起こすことがあります。
どんな不祥事かと申しますと。
皆様は、ご飯を食べているときスプーンを間違って噛んでしまったり、ご飯の固い部分がガリってなってしまったりすることはありませんか?
その時スプーンをかみちぎったり、硬いお米を分断することはなく、一瞬口が開いたりすると思います。
それが、歯根膜咬筋反射です!!
歯根膜が、硬すぎて噛めないよ!だから口を開けよう、ってしてくれています。
しかも0.2秒ほどで。一瞬です。
人間の機能のすばらしさを知ってください( ´∀` )
天然歯の機能のすばらしさを是非ご理解ください。
この前、患者さんにその話をしたら人体の不思議ですねって言われました。
なので、天然歯の方がインプラントより機能性は高いのですよ(^_-)-☆
それだけはわかっていてほしいです。
話がそれました。
歯を失った後の話としてインプラント治療のメリットですが、
インプラントが植わっている顎の骨は機械的な刺激が加わっているので細くなりづらく痩せにくいことも大切なことです。
もちろん、外科手術が必須であったり、保険が適用されなかったりするなどのデメリットもありますが、従来の入れ歯やブリッジと比べると優れた点があまりにも多いのです。
そこで本題に戻りますが、気になる点:インプラントの「寿命」ですよね。
▼インプラントの10年保証
インプラント治療では、ほとんどのケースで10年保証がつきます。治療から10年以内であれば、インプラントの不具合を無償で解決してくれるサービスです。当院でもインプラントをしておりますが使用メーカーはストローマンという世界的にも大変信頼のあるインプラントメーカーは10年保証が付いています。
逆にいうと、適切な方法で使用している限りは、10年は問題なく使い続けることができるとお考え下さい。
実際、10年以内でインプラント体が脱落したり、使い物にならなくなったりするケースは極めて稀といえます。
ただし、もともと骨が少ないケースや、炎症期間が長すぎてインプラントを入れたい部分が硬くなりすぎてインプラントがくっつかないケースもあります。
しかし、当院のストローマンにおいては保証があるのでインプラント治療は基本うまくいくものとしてメーカーも手厚い保証をしてくれているのです。
※当院におけるインプラント治療は、ネジだけでなく滅菌環境下において手術を行いますので、毎回しっかりとした清潔環境を整えています。手術の環境は、論文上でもインプラントの感染をより防止しインプラント成功率に大きく影響を及ぼすので清潔な歯科医院かもインプラント治療に大変重要なファクターになることも心得ておいてくださいね。
▼メンテナンスを受けることで寿命は延ばせる?
インプラントには10年保証がありますが、寿命が10年という意味ではありません。
インプラントは歯ぐきからインプラントが貫通しており(骨・粘膜貫通部があるんです!)常に歯ぐきを通り越したら骨に細菌が侵入してしまう状況下に置かれております。
体は常にその貫通部から侵入されないようにするため浸出液という白血球などの細菌に抵抗する液体を体内から出しています。
これも人体の不思議ですね!!昔からインプラント治療があったわけでもないのに、インプラントの歯の周りから感染が生じないように常に守ってくれているのです。
それでも感染を起こすようなときもありそれはご自身では落としきれない汚れが残っているときです。
そこで定期的なメンテナンスを受け、少しでも膿が出たり出血が出たりしたら早期に対応をすることですぐに治せるようにしておく必要があります。
セルフケアも徹底することでインプラントの寿命を15年、20年と延ばしていくことは難しくありませんが安易にインプラントを選択し、虫歯にならないからと言って歯も磨かずそのまま放置したら治療方法がなく、満足した食事がとれなくなる可能性もあります。
怖いことを書きましたが、安心して下さい。
インプラントが開発された当初に治療を受け、お亡くなりになるまで40年間、インプラントを使い続けたケースもあり、今もなお、インプラント素材は進化を続け、長期予後のとれる人工歯根の表面加工になってきているのは間違いありません。
▼まとめ
このように、インプラントはその他の義歯(入れ歯)ブリッジなどの治療法と比較して寿命がかなり長くなっています。外科処置が必須という難点がありますが、それを頑張つて乗り越えると、一生涯使い続けることも可能となります。
外科的な治療の必要はどうしても必要なのですが、大切なのはその時の痛みではなく長期的にどれだけ満足した食事をしていけるかです。
もっとも、歯を抜くことを経験した方しかインプラントはしないので外科治療はすでに受けている方なんです。
そこで比較してほしいのは抜歯の時の痛みとインプラントした時の痛みの違いです。
当院では、驚くほどに抜歯の時の痛みよりインプラントの時の痛みが少ないのです。
まずは、抜かれる前に歯を残せないか一度ご相談したうえでインプラント治療という選択肢を考えてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。